熱中症になりやすい労働環境![]()
炉や加熱された製品など高温な場所、発熱体から放射される赤外線による熱(輻射熱)がある場所です。また、湿度が高い、風が無い場所では、汗をかくばかりで蒸発しにくいため、脱水症状に陥る危険があります。
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熱中症になりやすい典型的な作業![]()
風邪気味など体調不良時は注意が必要です。下痢などで脱水状態時は特に危険です。お酒をたくさん飲んだ翌日、朝食を抜いている、寝不足も熱中症になりやすくなります。また、内服薬によっては、利尿作用があったり、発汗・体温調整を妨げる作用をもつ薬があります。糖尿病や腎疾患など特定の疾病も、脱水状態を生じやすくなったり、塩分不足になることがあります。また、暑さの耐性には個人差があり、肥満傾向の人は熱中症のリスクが高くなります。
※持病や投薬と熱中症との関係は、かかりつけの医師の指示を仰いてください。
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熱中症になりやすい健康状態![]()
作業を始めた初日で、身体への負荷が大きく、休憩を取らずに長時間にわたり連続して行う作業です。また、通気性や透湿性の悪い衣服や保護具を着用して行う作業は、汗をかいても体温を下げる効果が期待できず、熱中症にかかりやすくなります。
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暑さや湿度の低減のため、
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冷房を備えた休憩場所の設置
冷房設備の設置が困難な場合は、風通しが良い日陰の場所を確保しましょう。
作業場の近隣で、横になれるくらいの広さがあると望ましいです。
氷、冷たいおしぼり、水風呂、シャワー等、身体を適度に冷やすことが出来る物品や設備を設けましょう。
水分や塩分の補給が、定期的に簡単に行えるよう、作業場にも飲料を備えましょう。
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作業時間を短縮し、体に負担が大きい作業を避ける
特に、高温多湿な場所での作業を、長時間、連続して行うことのないようにしましょう。
水分と塩分の摂取を、
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暑さに慣れさせる(暑熱馴化)
梅雨の中休みや9月以降の暑さのぶり返し時も気をつけましょう。たとえ冷夏でも、前日よりも気温が急に高くなる日は注意が必要です。
初めて高温多湿な場所で作業をしたり、長期間高温多湿な場所での作業から離れていた労働者は、作業時間をより短くしたり、負荷の低い作業を行うようにしましょう。 暑熱馴化がない状態の場合、7日以上かけて熱へのばく露時間を次第に長くすることが望ましいです。ただし、熱へのばく露を中断すると、4日後には順化の喪失が始まり、3~4週間後には完全に失われます。 責任の所在を明確にし、監督者を配置する
緊急事態が発生した時のために、責任者や指示系統をしっかりと再確認しておきましょう。
暑さや作業強度に合わせて計画的に休憩を指示する
暑さは、WBGT値(暑さ指数)を目安にしましょう。詳しくは、熱中症予防情報を確認して下さい。
作業強度と暑さの関係は、「身体作業強度等に応じたWBGT基準値表」を参考にしてください。 |
作業開始前に作業者の健康状態の確認をする
特に、一人で作業をさせる場合には入念に確認をしましょう。
健康診断結果などに基づく就業上の措置(作業時間の短縮・軽減など)を徹底しましょう。 熱中症の発症に影響を与える恐れのある疾患は、糖尿病、高血圧症、心疾患、腎不全、精神・神経関係の疾患、広範囲の皮膚疾患などがあります。また、風邪などで発熱していたり、下痢などによる脱水症状、皮下脂肪の厚い人も熱中症の発症リスクが高くなります。 作業中も定期的に健康状態を確認する
作業者もお互いの健康状態に留意し、体調を伝え合うようにしましょう。
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休憩場所に体温計や体重計を備える
自分の健康状態をこまめにチェックして、早めに対処することも大切です。
体調不良を訴えたり、相談できる雰囲気を作る
作業者も、体調不良時は我慢をせず、監督者に不調を伝えましょう。
いざというときに連絡できる医療機関を調べておく
すぐに連絡できるよう、わかり易い場所に掲示しましょう。
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風邪気味など体調不良ではないか
発熱や下痢・嘔吐などがあると脱水状態になり、熱中症への危険が高くなります。
前の日にお酒をたくさん飲んでいないか
アルコールは、その分解に水分を大量に使うことに加え、利尿作用(尿を多く出す作用)があるため、飲酒後の翌朝は、普段よりも脱水状態になっています。
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朝食を抜いていないか
朝食をしっかりとることは、水分だけでなく塩分の摂取にもなります。
寝不足ではないか
睡眠不足は、注意力や集中力が低下するとともに、体温コントロールが難しくなって熱中症リスクが高くなります。
また、無理に起きているために、利尿作用を持つコーヒー・紅茶・緑茶などカフェインを含む嗜好品を多くとると、翌朝は普段以上に脱水状態となっている可能性があります。 |