ひと涼み・うるおい スタイルBOOK
妊娠中のレジャーのポイント
適度に上手に体を動かして、
夏のマタニティライフを
すこやかに保ちましょう
妊婦 - レジャー・運動

夏はレジャーの季節ですが、熱中症のリスクが高まる妊婦さんにとって気になるのは「どこまで体を動かしていいのか」ということ。当然、無理は禁物とはいえ、自室に閉じこもってゴロゴロしてばかりでは健全なマタニティライフとはいえません。『たまごクラブ』読者の方が実践しているケースを参考に、体を動かしながら快適に夏を楽しむ工夫を学んでいきましょう。

青木里佳:「たまごクラブ」編集長。教育専門誌、週刊誌編集部を経て、2002年より「たまごクラブ」編集部に所属。08年より副編集長、12年より編集長。「たまごクラブ」は妊娠中からおなかの赤ちゃんのためにできることを提案したり、安産の新常識などを紹介したりするマタニティ向け月刊誌。中でも真夏の妊婦特集は毎年人気の企画です。
http://tamahiyo.jp
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適度な運動で体重のコントロールを
妊婦さんのお悩みの中で最も多いのが「太りすぎてしまう」こと。『たまごクラブ』の読者の方々の中でも、特に最近は夏場に体重が増えてしまう人が後をたたないのだとか。
「蒸し暑い夏は料理をするのもひと苦労。食事の栄養バランスよりも、手軽さを優先して『ひたすらそうめんばかり食べている』なんていう妊婦さんも多いみたいです。そのうえ冷房の効いた部屋の中でひたすらゴロゴロしていては太りすぎてしまうのも当然。そもそも熱中症を予防する意味でも、猛暑を乗り切る基礎体力をつけることが肝心です。食生活を見直すのと同時に、無理のない範囲で体を動かすことも大切だと思います」(青木編集長)。
事実、太りすぎは妊婦さんにとってリスクも大きくなってしまうのだとか。大島医療センター産婦人科の安堂裕介先生にお話を伺うと、「太りすぎると妊娠高血圧症候群になりやすいばかりではなく、産道に脂肪がついて難産の原因になります」とのこと。適度な運動を行って体重をコントロールする必要があるようです。 -
オススメはウォーキングとマタニティスイム
体を動かすことは妊娠中のストレスの解消にもつながります。『たまごクラブ』の読者の方々も、熱中症に気をつけながら、それぞれに工夫をして少しずつ運動を取り入れている模様。「気温の高い時間帯を避け、朝や夕方以降にウォーキングを行っているという妊婦さんが多いですね。またその際は水分補給に気を配るのはもちろん、ぼうしを被る、平らで安全な運動靴を選ぶなどのポイントもきちんと押さえているようです。加えて『もしもの時のために、母子手帳と携帯電話も忘れずに持っていく』という声が多いのはさすが。ただ、いくら涼しくても夜間に女性一人で外出するのは危険。『たまごクラブ』のママたちの中にはパパと一緒にウォーキングを楽しんでいるという方も多いですよ」(青木編集長)。ちなみに妊婦さんの健康を保つためのウォーキングの目安は、「1回20~30分、ちょっと速足のペースで週3~4回」(安堂先生)くらいが理想的だそうです。
また、夏場のエクササイズとして人気が高いのがマタニティスイム。「屋内で行われる運動なので熱中症の心配も少ないですし、なにより『水の中にいると涼しげで気持ちよくて気分的にもリフレッシュできる』という声が多いです」(青木編集長)。実際、水中では重力が軽減され、ひざや腰などに負担を掛けずに楽に体を動かすことができるため、まさに妊婦さんにうってつけの運動といえそうですね。
とはいえ、けっして無理をしないことが肝心。運動中におなかの張りを感じたときなどには、すぐに休むようにしましょう。妊婦さんはどうしてもおなかがせり出してしまうため、姿勢のバランスがとりづらく転倒しやすいということをお忘れなく。どんな運動にしろ、ゆっくりと注意深く身体を動かすようにしてください。 -
レジャーのポイントは
「事前の準備」と「ゆとり行動」まとまった休暇が取れるこれからの時期、レジャーの楽しみも増えると思いますが、そこで気になるのが妊婦さんの行動範囲。いったいどこまでがOKなんでしょう?
専門家の見解で共通しているのは「安定期に入り、産院の先生に相談してきちんと許可をもらえるのであれば、妊婦さんの旅行も問題ない」ということ。「ただし、事前の準備は不可欠。インフラの整備が進んだおかげで、近年はずいぶんアクティブに遠出される妊婦さんも多いようですが、何かあった時のために旅行先周辺の病院等の施設の有無は必ずチェックしておくべきです。当然ながら、母子手帳と保険証の携帯も忘れずに!」(青木編集長)。
ちなみに移動中のポイントは、「車での旅行は 1時間ごとに10分くらいの休憩をとって身体のストレッチをしましょう。長い時間同じ姿勢で座っていると、子宮収縮の可能性が高くなります。また何事も時間に余裕を持って行動してください。電車の時間に間に合わないからといって急ぐとおなかが張ってしまいます」(安堂先生)とのこと。
どんな場合でも常に「ゆとり」を持った行動を心がけ、心身共にすこやかに夏のレジャーを楽しみましょう。