ひと涼み・うるおい スタイルBOOK
熱中症にならず、
元気な毎日を過ごすために、
快適な睡眠を確保しよう!
健康 - 睡眠

猛暑日が続き、さらに夜になっても気温が下がらないと、どうしても睡眠不足になりがちではないでしょうか? 汗をかき、寝苦しくて夜中に目覚めてしまったり、そもそも上手に眠りにつけなかったり。そんな夏でも、快適な睡眠を確保するために必要なこととは? 今回はフランスベッドの佐藤さんにお話を伺いました。
佐藤昌弘:フランスベッド株式会社 スリープ研究センター所属。睡眠学会、睡眠環境学会、褥瘡学会、インテリア学会会員。フランスベッドのショールーム(東京都昭島市や港区六本木をはじめ、全国12箇所)では、眠りについてのさまざまな相談に乗ってくれます。
http://www.francebed.co.jp/
-
寝苦しい夜でも
心地よく眠るために必要なことは?ここ数年、猛暑になることが多く、夜になってもなかなか気温が下がりませんね。熱帯夜となることも多く、そのため寝苦しい一夜を過ごされている方も多いのではないでしょうか。睡眠が十分に取れないということは、日中の活動に大きな影響を及ぼす可能性があります。弱った身体で、例えば炎天下の屋外で活動すれば、熱中症を発症するリスクが高まる可能性だってあるのです。
そのために大事なことは、いかに十分な睡眠を取るか、ということになります。では、心地よい睡眠を取るために必要なこととは、どんなことでしょう?
まず言えることは、“生活習慣”です。一般的にも言われるように、食事は寝る3~4時間前には済ませておくことが大切です。また、人は眠るタイミングを身体の深部体温で測っていると言われています。どういうことかと言うと、人の体温というのは、朝方に向けて上がっていき、日中は高めで推移します。そして夕方あたりから徐々に下がり、眠る準備をするのです。この体温の下げ幅を多くするようにするのです。
具体的は、夕方に少し運動をするということ。運動といっても本格的なものである必要はありません。散歩とか、例えば家の中で階段を昇り降りするだけでもいい。そうやって、日中一定だった体温が下がろうとする時間帯に、あえて一度、上げてあげる。するとそこから下がっていくときに温度幅が生まれます。これが眠りやすくすることがあるのです。
あとは、例えば夏場はぬるめのお風呂にゆっくり入るとか、アロマを炊くとか。そういう行為を習慣化し、自分に暗示をかけるようにするのもいい方法だと思います。 -
快眠の敵は暑さより
むしろ湿度にある節電ということもあって、エアコンを控えている人がいるかもしれません。しかし、防犯面などからいっても、なかなか窓を開けっ放しで眠るということもできませんよね。だから、タイマーを使うなどして、上手にエアコンを使ったほうがいいんじゃないかと思います。
エアコンを使うメリットは、もちろん温度をコントロールすることですが、湿度を抑えるという意味でも重要です。
寝苦しさを感じる理由の一つに、ベタベタと皮膚にまとわりつく汗がありますよね。人は寝るときに汗をかいて、身体の深部温度を下げようとします。湿度が高いと、その汗が乾くことなく、いつまでも肌にまとわりつく。それが気持ち悪いんです。
その状態を防ぐために、夏でも布団は干して、乾かした方がいいです。もちろん、いつまでも熱がこもるようでは暑くなってしまいますが、布団を乾燥させておくことで、ベタベタ感は緩和できるかと思います。つまり、布団に汗を吸収するキャパシティを作ってあげるということです。同じ理由で、シーツなどもよく洗って、乾かしたほうがいいですね。
ベッドの場合、マットレスの上にベッドパッドを敷くと思います。最近では“3Dメッシュ”(右上写真)という、立体構造を持ったベッドパッドが登場しています。通気性に優れたものなので、そういったものを使うのもいいかもしれません。あまり、フワフワとした柔らかいものじゃないほうがいいんです。ペタっと身体についてしまうから。どちらかというと硬めの素材のもののほうが、夏はオススメです。代表的なのは、ゴザ。い草でできたようなものが、夏場はいいようですね。
あとは“頭寒足熱”じゃありませんが、頭部を冷やすこと。冷却ジェルとか、ケーキを買ったときについてくる保冷剤でもいい。それをタオルに巻いて頭部を冷やすだけで、かなり眠りにつきやすくなると思います。
睡眠を十分に取るということは、食事をするとか、水分を摂取すると同じくらい、大切なこと。特に日中に体力を消耗したり、熱中症のリスクがあったりする夏は、なおさら重要です。みなさんも自分なりに眠るための“生活習慣”を身につけて、快適な睡眠を取るように心がけてくださいね。