ひと涼み・うるおい スタイルBOOK
節電しながら、
みんなで涼しく過ごす!
クールシェアで熱中症対策!!
住まい - クールシェア

新しい夏の過ごし方として、今年大きな話題となっている「クールシェア」。“ひとりで使っているエアコンを止めて、涼しい場所でみんなで過ごそう”ということで、図書館や美術館といった公共施設や街のカフェなどが「クールシェア・スポット」となっています。そして、その「クールシェア・スポット」が、そのまま「熱中症予防スポット」にもなっているのです。
Text by Hitosuzumi Style Book
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スタートしたのは、2011年。
今年は「熱中症予防スポット」としても話題!「クールシェア」とは、多摩美術大学デザイン学科の堀内正弘教授のチームが、昨2011年、「東日本大震災後の状況に対して、デザイナーは何ができるか」という問いかけに対して発表したアイデアでした。
夏の暑い日、日中14時ころの消費電力を見ると、エアコンが53%と最も多いということがわかっています(資源エネルギー庁の推計)。そこで、ひとり一台のエアコンをやめ、涼しい場所をみんなで過ごすことで、節電しながら夏を乗り切ろうというのが、「クールシェア」の考え方です。
昨年は、多摩美術大学周辺での試験的な実施にとどまりましたが、この活動が「eco japan cup 2011(環境省などが主催)」で評価され、エココミュニケーショングランプリを受賞。これが契機となり、今年の一大ムーブメントと発展してきました。 -
続々と誕生している
クールシェア・スポット「クールシェア・スポット」の設置には、さまざまな機関・団体が積極的に取り組んでい合います。
例えば、「日本一暑いまち」で地域おこしを進める、埼玉県熊谷市はいち早く、「クールシェア」に賛同した街です。2012年は市役所本庁舎や公民館など、計17ヶ所を「まちなかオアシス(熱中症休憩所)」として、市民に開放。暑さで体調が悪い人が立ち寄った場合は、病院に連絡する対応もしているそうです。もちろん、市内の民間企業も連動しています。「ウチのエアコンを止めて、クールシェアのためにきた」と告げると飲み物がもらえるなどのサービスを行っているスポットが、約120店舗もあるそうです。
多摩美術大学の地元、多摩市でも「クールシェア・スポット」の拡大が続いています。9月までの間、コミュニティセンターなど市内24ヶ所の公共施設を、「まちの休憩スポット」と認定。飲み物などを提供するサービスを実施しているそうです。
また東京荒川区では「あらかわ街なか避暑地」として46ヶ所のスポットを用意したり、東京品川区では、「避暑シェルター」62ヶ所を設置と、確実に「クールシェア・スポット」が拡大していっています。 -
スマホでも検索できる、
クールシェア・スポットせっかく設置された「クールシェア・スポット」でも、どこにあるのかがわからなければ、活用できませんね。そこで提唱者の堀内教授が作成し、ネット上に公開しているのが、「クールシェア・スポットマップ」です。
マップを見てみると、以下のようにジャンル分けされた「クールシェア・スポット」の場所が、一目瞭然にわかるようになっている。
● 動物園、水族館、遊園地など子どもが喜ぶスポット
● ギャラリーやショールームなど
● 公民館やロビーなど開かれた場所
● ゆっくりできる店、百貨店など
● 近所での集まり、イベント会場など
● 公園や緑地、寺社など土と緑がある場所
● 美術館、博物館、科学館など
● 図書館、ブックカフェなど本が読める場所
● ゆっくりできるレストラン、カフェなど
● カラオケ、映画館、コンサートホールなど
マップ上に表示される、上記内容を示すアイコンをクリックすると、詳しい住所や“エアコンを止めてきた人へのサービス”の内容などがわかるようになっている。スマートホンでも検索できるようになっているので、外出先でも、気軽に「クールシェア・スポット」を探すことができます。
今年の夏は、「クールシェア・スポット」に集まった人同士で、涼みながら、そしてコミュニケーションを取るのがオススメ。暑い! と感じたら、家のエアコンを止めて、「クールシェア・スポット」に出かけてみてはいかがでしょう。
●「クールシェア・マップ」はこちら