ひと涼み・うるおい スタイルBOOK
旬の野菜には旬の効能がある! だから暑さには夏野菜!
夏には栄養価がググっと上昇!
調理法で健康効果もUPします
食事 - 夏野菜

古いギリシアのことわざに、「トマトが実れば医者が青くなる」というものがあります。トマトの健康効果についての言葉ですが、旬の野菜には旬の効果があるという意味も含まれています。夏に不足しがちなカリウムやビタミン類といった栄養素を、カラフルな夏野菜で美味しく補給し、夏バテや熱中症を予防しましょう。

矢島南弥子
フードコーディネーター・管理栄養士。フードコーディネーターとして、多くの食品メーカーのレシピ制作や広告撮影、テーマパーク内のカフェレシピ提案など幅広く活躍。栄養士としても、ダイエットレストランや、ホテルのレストランフェアの監修、医療機関向けの栄養カウンセリング業務など、資格を活かした実績も多い。
http://chouriryoku.jp/
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暑い季節に必要な栄養素がたっぷり
野菜は、旬の時期に一番栄養価が高く、不思議とその時期に身体に必要な栄養素が詰まっています。ハウス栽培であれば、夏野菜は夏だけではなく冬にも収穫できます。ですが、旬のものの方が栄養価は高いんです。何より美味しいし値段が安いのも魅力ですよね。
夏野菜には、水分やカリウムを豊富に含んでいるものが多く、身体にこもった熱を身体の中からクールダウンしてくれます。トマトやキュウリなど生で食べられるものも多いので、夏に不足しがちな栄養素を簡単に補給できるのが夏野菜の長所です。逆に、冬には身体を温めてくれる成分を多く含む野菜が豊富。気候や季節により身体に必要な栄養素があります。旬のものを旬の時期に食べることで、旬の野菜がその時身体に必要な栄養素を教えてくれるのです。 -
栄養補給と同時に彩りも豊かに
代表的な夏野菜には、キュウリやトマト、ピーマン、ゴーヤ、ナス、トウモロコシ、カボチャなどが挙げられます。濃い、ハッキリした色の野菜がその特徴といえます。食欲も落ちるこの季節、カラフルなビタミンカラーは食欲を刺激しますし、含まれている栄養素とその効能は、夏にぴったりと言えます。
“キュウリ”には、夏場、汗をかいて不足しがちな水分とカリウムが多く含まれています。キュウリにはビタミンCを壊してしまう酵素が含まれていますが、酢にその酵素の働きを抑える作用があるので、酢の物で食べれば効率よくビタミンCも取れますよ。
“トマト”には、抗酸化作用のあるビタミンAとCがたっぷり。ビタミンEと一緒に取ることでより強力な抗酸化作用が期待できるので、ビタミンEが豊富なオリーブオイルを使って調理するのがベストです。夏場は、紫外線や暑さのストレスなどにより活性酸素のダメージを受けやすい季節です。抗酸化作用のある野菜をとって内側からサビにくい身体作りに働きかけます。
“ピーマン” には、強い紫外線を受けやすいこの時期にありがたい、皮膚の結合組織を作るコラーゲンの合成を助けたり、メラニン色素の沈着を防ぎ、健やかな肌を保つためのビタミンCが豊富です。ビタミンCは調理によって壊れやすいのが難点ですが、ピーマンは組織が強いため、壊れにくく、安心して炒めて食べられます。他にもピーマンには、皮膚や粘膜を健やかに保ちウィルスから身体を守り夏風邪にも効果的なビタミンAも含まれています。ビタミンAは油と一緒にとることで、吸収率が高まる栄養素。そういう理由から、油で炒めて食べるのがピッタリなんです。
“ゴーヤ”には、ビタミンCを豊富に含む他に、ビタミン、ミネラルをバランスよく含みます。夏場に汗とともに失われ易いカリウムも多く、むくみを解消し滞った代謝を促進します。特有の苦み成分は、食欲を刺激して夏バテ予防に働きかけます。ゴーヤの苦味が気になるという人は、白い綿の部分をしっかり取ったり塩もみすることで、気にならなくなります。ゴーヤチャンプルーみたいに、お肉の脂やタンパク質と一緒に調理すると苦味もやわらぎお勧めですよ。 -
夏野菜を使った美味しい栄養補給メニュー
トマトだれそうめん 鶏肉とゆで卵の梅煮添え
夏野菜の代表、トマトとゴーヤを使ったメニュー。すりおろしたトマトのたれでいただきます。さっぱり味のそうめんに、鶏肉とゆで卵の梅煮、ゴーヤの塩もみを添えると、彩りと食べごたえが増します。冷や麦やうどんでも代用できます。
材料(2人分)
・そうめん(乾) 100g
・トマト(完熟) 1個
・しょうゆ 小2
・万能ねぎ 少々
・しょうが 少々
・鶏肉とゆで卵の梅煮 1/2量
・ゴーヤの塩もみ 2人分
作り方
1
トマトは皮つきのまますりおろし、しょうゆを混ぜる。
2
そうめんはたっぷりの湯でゆでて水にとって洗い、水気をよく切る。
3
ねぎは小口切り、しょうがはすりおろす。
4
器に2を敷き、食べやすく切った鶏肉とゆで卵の梅煮、ゴーヤの塩もみを添え、1のトマトだれをかけ、3の薬味を添える。
※鶏肉とゆで卵の梅煮の作り方(2人分×2回分)
1/鶏もも肉(皮なし、500g)は余分な脂肪があれば除き、横半分に切る。 2/卵(4個)は固茹でにして殻をむく。 3/鍋にA(水3/4カップ、酒1/4カップ、だし昆布10cm、しょうゆ大さじ2、砂糖小さじ2)を合わせて煮立て、1と2を重ならないように入れ、2つにちぎった梅干(大2個)を種とともに加える。 4/フタをして、再び煮立ったら弱火にして約15分煮、煮汁がほとんどなくなるまで煮る。
※ゴーヤの塩もみの作り方(2人分)
1/ゴーヤ(100g)は縦半分に切り、種を綿ごと除き、薄切りにする。 2/塩(小さじ1/6)をまぶしてしんなりしたら水気を絞る。